町内会お祭りの寄付、表書きで失敗しない方法！これで恥をかかずに堂々と渡せます

2025年9月3日

地域社会に深く根ざしたお祭りは、単なるイベントではなく、住民の交流を深め、地域の伝統を次世代に伝える重要な役割を担っています。しかし、その運営には多大な費用がかかります。会場設営、警備、お神輿の維持、さらには子供たちのための催しなど、その活動を支えるために、個人や企業からの寄付が大きな力となります。このような寄付は「ご祝儀」や「寸志」といった形で、お祭りの成功を願う気持ちや、地域への貢献の意思を表すものです。この気持ちを正しく伝えるためにも、寄付時のマナーを理解しておくことが大切です。

町内会のお祭りでの寄付時の表書きマナー

表書きに使うべき言葉の選び方

お祭りの寄付に用いる表書きは、その目的によって使い分けるのが一般的です。お祭り全般の寄付には「御祝儀」「御寄付」「奉納」などが適しています。「御祝儀」は、お祭りというめでたい行事をお祝いする気持ちを込めた言葉です。「御寄付」は、文字通り寄付としてお金を贈る際に広く使われます。「奉納」は、特に神事と結びついたお祭りや、神輿や山車の新調など特定の目的のために寄付をする場合に用いられることが多いです。

神社主催・町内会主催で異なる書き方

お祭りを主催する主体によっても、表書きの言葉は少し変わります。神社が主催するお祭りであれば、「御初穂料（おはつほりょう）」や「玉串料（たまぐしりょう）」が一般的です。これは、神様への感謝や神事を支援する意味合いが強いためです。一方、町内会が主催する場合は、「御祝儀」「御寄付」が最も無難で広く使われます。地域のお祭りは住民の協力が不可欠であるため、「御祭礼（ごさいれい）」と記載することもあります。

避けるべき表現とその理由

寄付の際に避けるべき表現もあります。「寸志」は、目下の人に対して使う言葉であり、お祭りへの寄付という公共的な場面には不適切とされています。また、「志」は香典返しや謝礼で使われることが多いため、お祭りのようなお祝い事にはふさわしくありません。寄付の気持ちを伝える際には、相手に失礼のないよう、言葉の意味を理解した上で選ぶことが重要です。

のし袋の正しい使い方と筆記のポイント

水引の色と結び方の意味

お祭りへの寄付には、紅白の水引を使用するのが一般的です。紅白は、慶事（おめでたいこと）を表す最も代表的な色です。結び方は、何度でも結び直せる「蝶結び」が適しています。蝶結びは、「何度繰り返しても良い」という意味合いを持つため、お祭りという毎年開催される行事にはぴったりです。葬儀などで使われる「結び切り」は、一度きりという意味を持つため、使用を避けるべきです。

筆記具と文字の書き方のマナー

表書きや中袋の記載には、濃い墨で書かれた筆や筆ペンを使用するのが正式なマナーです。サインペンやボールペンは、略式と見なされるため避けるのが良いでしょう。文字は丁寧に、楷書で書くことを心がけましょう。行書や草書は読みづらい場合があるため、誰が見てもわかるように書くことが大切です。

名前の位置とサイズのバランス

表書きの名前は、水引の下部中央にフルネームで書きます。夫婦や家族で連名にする場合は、夫の名前を中央に書き、その左側に妻や子供の名前を続けます。会社名で寄付する場合は、会社名をフルネームで水引の右側に、代表者名をその左側に書くのが一般的です。いずれの場合も、文字の大きさが均一になるように、バランスに気を付けて書くことが重要です。

中袋・金額の書き方とお札の扱い方

金額の表記は旧字体が基本

中袋には、包んだ金額を記載します。金額は、改ざん防止の目的で、漢数字をさらに複雑にした「旧字体（大字）」で書くのが正式なマナーとされています。例えば、一万円は「金壱萬円」、五千円は「金伍仟円」と書きます。漢数字で書く場合は「金一万円」と表記しますが、旧字体を用いることで、数字の改ざんを防ぎ、より丁寧な印象を与えることができます。一万円や五千円など、比較的大きな金額を包む際には旧字体を用いると良いでしょう。

中袋がない場合の裏面の書き方

中袋がないのし袋を使用する場合、金額と住所、氏名をのし袋の裏面に直接記載します。この際、金額は右側に、住所と氏名は左下に書くのが一般的です。金額は、表面の表書きと同様に、改ざんされにくい旧字体や漢数字で記載しましょう。住所と氏名は、誰からの寄付であるかが一目でわかるように、丁寧に、はっきりと書くことが大切です。筆記具は、筆や筆ペンを使用するのが正式なマナーです。

お札の入れ方と清潔感の重要性

のし袋に入れるお札は、できるだけ新札を用意するのが望ましいとされています。これは、「この日のために用意しました」という、寄付への敬意や気持ちを表すためです。やむを得ず新札がない場合は、折り目の少ないきれいなお札を選びましょう。お札の向きは、肖像画がのし袋の表側（顔）を向くように揃えます。また、複数枚のお札を包む場合も、すべて同じ向きになるように揃えて入れるのが正しいマナーです。この一見細かな配慮が、相手に丁寧な印象を与え、気持ちをより深く伝えることにつながります。